建築の世界はなぜ「ミリ」なのか
みなさんこんにちは。
大阪スタッフの西田です。
今日は、私たち『建築屋さん』にとって
必要不可欠な【単位】のお話をさせていただきます!
私たちが日常で長さを測る際、一般的にセンチメートル(cm)やメートル(m)を使います。
しかし、住宅やビルの設計図を開くと、そこに記載されている数字の単位はほとんどがミリメートル(mm)です。
この「ミリ基準」は、建築の世界において単なる習慣ではなく、建物の品質と安全性を保証するための合理的な理由があります。
1. 究極の「精度」を求める世界
建築は、数千、数万の部材が組み合わさって一つの構造物を作り上げます。
ここで、わずか1cm、あるいは数mmのズレが、後々大きな問題に発展する可能性があります。
例えば、窓やドアの開口部が数ミリずれるだけで、ぴったり閉まらなくなり、隙間風や断熱性の低下につながります。
「神は細部に宿る」という言葉がありますが、建築の世界では特に顕著です。
ミリ単位で寸法を指示することで、設計者の意図する高い加工精度を現場に伝え、構造的な安全性や美観を維持しているのです。
2. コミュニケーションの「共通言語」
もし建築図面が「2メートル34センチ5ミリ」といった混在した単位で書かれていたらどうなるでしょう?
現場で働く職人さんや技術者は、その都度頭の中で単位を変換しながら作業することになり、
情報伝達のミスや計算ミスが多発してしまいます。
そこで登場するのがミリ単位表記です。
「2345mm」と単一の単位で示すことで、「」「」「」の区別を気にする必要がなく、
図面上の数字=ミリという共通認識が生まれます。これにより、現場での指示や確認が迅速かつ正確になり、
作業効率が飛躍的に向上します。
3. 「モジュール」との親和性
日本の伝統的な建築では、「尺」を基本とする尺モジュール()という考え方があり、
柱の間隔や建材のサイズがこの基本寸法に合わせて作られています。
ミリ単位は、こうしたモジュール寸法(例:)を小数点を使わずに整数で表現できるため、
建築材料の発注や加工にも非常に都合が良いのです。
これらのことから、建築におけるミリ単位は、高い精度を保証し、国際的な標準化に則り、
そして何より現場のコミュニケーションを円滑にするための、不可欠な単位なのです!
建築の単位の秘密、いかがでしたでしょうか?
本日もご観覧いただきありがとうございました。