初めまして。11月より入社致しました、山中と申します。

皆様、よろしくお願いいたします！

早速ですが、、
今回は、普段私たちが何気なく使っているものに隠された、とても魅力的なデザインの考え方についてお話しします。
その名も…
「アノニマスデザイン（Anonymous Design）」
直訳すると「匿名のデザイン」という意味です。なんだか難しそうに聞こえますが、実は私たちの生活に深く根ざしているものなんですよ。
「デザイン」と聞くと、有名なデザイナーの洋服や家具、ロゴが入ったおしゃれなブランド品を思い浮かべるかもしれません。
でも、アノニマスデザインはソレとは真逆なんです。

【 誰が作ったか分からない 】
【 特別な装飾がない 】
【 ただひたすら使いやすい 】

以上の3つがアノニマスデザインの大きな特徴です。

この概念は、プロダクトデザイナーの柳宗理氏が1960年の世界デザイン会議で提唱したことで知られています。

◆匿名性: デザイナー名が前面に出ない、あるいは作者不明の製品。
◆機能美: 装飾を排除し、用途や目的に特化した結果生まれる美しさ。
◆普遍性: 時代や流行に左右されない、長期間愛用できる形。
◆民藝との関連: 日本の民藝運動（職人による日常雑器の美）とも思想的に関連が深いです。

みなさんの身の回りにある日用品にも、探してみると多くの「アノニマスデザイン」が見つかるかもしれません。

「機能だけを追求した結果生まれた形」こそが、アノニマスデザインなのです。
そこにはデザイナーの「個性」よりも、「使いやすさ」や「普遍性」が優先されています。
身近なアノニマスデザインを探してみよう
あなたの周りにもたくさんありますよ。
給食で使ったアルミの食器
シンプルなガラスのコップ
道端のマンホールの蓋
駅のホームにあるベンチ
数えだしたら、キリがありせん。。
これらは、特定の流行を追うことなく、何十年も形を変えずに使われ続けていますよね。飽きがこないだけでなく、壊れにくく、誰にとっても使いやすい。

究極の「良いデザイン」と言えるかもしれません。
特に、日本の「無印良品（MUJI）」の製品は、このアノニマスデザインの思想を現代に受け継いでいる代表例です。

なぜ今、アノニマスデザインが魅力的なの？
情報があふれ、流行がどんどん移り変わる時代だからこそ、この「名前のないデザイン」が持つ普遍的な魅力が見直されています。
タイムレス: 流行に左右されないので、長く使えます。
サステナブル: 物を大切に長く使うことは、環境にも優しい選択です。
暮らしに馴染む: 主張しすぎないため、どんなインテリアにも馴染みます。
まとめ
「アノニマスデザイン」は、特別なものではなく、私たちの暮らしを静かに、そして豊かに支えてくれている存在です。
いつも使っている日用品、身の周りある
物など、少しだけ意識してみると
きっと、普段の生活がアノニマスデザインで溢れている事に気が付くでは無いでしょうか？
主張しない潔さ、そこに
デザイナーとしての美意識を感じさせられます。

私達タクトデザイン工房は、商店建築、商業空間を手掛けております。

商空間とは、お店の内装、外装が完成して終わりでは無く、お店を利用するお客様、
お店で働くスタッフさん、その空間に関わる人々がいてようやく成り立つモノです。
毛色は違えど、物造りと言う点では、アノニマスデザインの思想はとても大切にしたい考えであり
今後も、末永く多くの人々に寄り添う、笑顔を生み出す空間創りを心がけて参ります。

それでは、また次のブログでお会いしましょう！