バリアフリーのなるほど
「なるほど」が詰まったバリアフリー建築
お久しぶりです、大阪支店の大谷です。
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「バリアフリー」と聞くと、何を思い浮かべますか?多くの方が「段差の解消」や「手すりの設置」をイメージするかもしれません。
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しかし、真のバリアフリー建築は、単に物理的な障害を取り除く以上の、「なるほど!」と膝を打つような工夫と、深い配慮が詰まっています。
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今回は、暮らしを豊かにするバリアフリー建築の、一歩踏み込んだポイントをご紹介します。
1. 「心のバリアフリー」が出発点
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なるほどポイント①:設備よりも「想像力」
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車いすの建築士の方も指摘するように、大切なのはまず「心のバリアフリー」です。住む人や利用者の視点に立ち、何が不便で、どうしたら快適になるかを想像することが出発点となります。
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単に基準を満たすだけでなく、「使う人が本当に使いやすいか?」を考えることが、本当のバリアフリーを生み出します。
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2. 移動の「ストレス」をなくす動線設計
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なるほどポイント②:回遊できる動線で方向転換不要に
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車いすを使用する場合、限られたスペースでの方向転換は大きなストレスです。
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廊下や部屋を一周できるような「回遊性のある動線」を採用することで、方向転換の必要がなくなり、移動が非常にスムーズで楽になります。
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なるほどポイント③:扉は上吊り引き戸が最強
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一般的な開き戸は、開閉時に後ろに下がる動作が必要で、車いすでは不便な場合があります。また、レールのある引き戸はゴミが詰まりやすい難点も。
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床に段差を作らない「上吊りタイプの引き戸」は、開閉が楽なうえ、足元もフラットになり、車いすや歩行器の利用が非常に快適になります。
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3. 安全と快適性を高める光の工夫
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なるほどポイント④:突き当たりの窓は風と安全の証
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廊下や階段の突き当たり、浴室の正面などに窓を設ける工夫があります。
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これは風通しを良くするだけでなく、その場所を明るく照らし、奥行きと行き止まりをはっきり認識させる(視認性を高める)ことで、転倒や衝突のリスクを減らす「安全設計」の一つなのです。
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まとめ
バリアフリー建築は、特定の誰かだけのためではなく、高齢者、小さな子ども、そして私たち全員が将来にわたって快適に暮らすための工夫です。
物理的なバリアを取り除くことと、人の心にあるバリアを取り除くこと。この二つが揃って初めて、本当に心地よい住まいが実現するのですね。

