【伝統美に学ぶ】窓が切り取る「絵画」のような日常
こんにちは。名古屋スタッフの大山です。
10月に那覇へ出張に行った際、時間に余裕ができたので近くを散策していました。
その際、非常に美しい「中国伝統の格子窓」に出会ったんです。

これは「福州園」という庭園の中で使われている窓です。
中国福建省福州市と那覇市の友好の証である福州園は、福州式と呼ばれる美しい庭園で、歩くアートと呼ばれています。
なんとなく立ち寄った場所でしたが、歩くアートとはなるほど上手いな、と思わされる心地の良い空間でした。
その中で一番印象に残ったのがこの窓。
今日はこの窓に見る空間構成のテクニックについて書きたいと思います。
1. 「フレーミング」の効果
景色をアートに変えるこの格子の最大の魅力は、その幾何学的なラインです。
円と曲線が組み合わさった独特の意匠は、ただの「開口部」を「額縁」へと変貌させます。
外に広がる庭園の緑や、吊るされた赤いランタンが、格子のラインによって切り取られることで、まるで一枚の完成された絵画のように見えませんか?
現代の住宅でも、窓枠を少し意識するだけで、外の景色を特別なインテリアの一部として取り込むことが可能です。
2. 「透過」と「境界」の心地よさ
壁で完全に仕切るのではなく、このような格子越しに空間を繋ぐ手法を、私たちは**「透かし」**と呼びます。
視線の抜け: 圧迫感を与えずに空間を広く見せる。
ゆるやかな分断: プライバシーを守りつつ、隣の部屋や外の気配を感じさせる。
この絶妙な「見えそうで見えない」距離感が、空間に奥行きと情緒(エモーション)をもたらします。
3. 素材が語る「経年美化」
写真のサッシに見られる、少し褪せたような深い赤色や、木材の質感。これは、時間が経つほどに味わいが増す**「経年美化」**の好例です。
ピカピカの新品にはない、住み手の歴史を感じさせるテクスチャは、空間に「落ち着き」と「品格」を与えてくれます。
インテリアに取り入れるなら?
「こんな伝統的なデザイン、家には合わないかも…」と思う必要はありません。現代のインテリアにミックスするなら、以下のような方法がおすすめです。
パーテーションとして: リビングとワークスペースの間に、モダンにアレンジした格子パネルを置く。
アクセントクロスや建具に: この格子のパターン(幾何学模様)を壁紙やキャビネットの扉のデザインに取り入れる。
陰影を楽しむ: 格子越しに差し込む光は、床に美しい影を落とします。照明計画においても、この「影の美しさ」は非常に有効な演出です。
最後に
窓はただ換気や採光のためだけにあるのではなく「何を見せ、何を隠すか」。
この写真のサッシのように、少しのデザインを加えるだけで、毎日の景色はもっとドラマチックになるはずです。
皆さんも、窓辺のデザインに少しだけこだわってみませんか?
それではまた!
