こんにちは。
タクトデザイン工房のココです。

今日は、江戸東京たてもの園を訪れた際に、
見る機会ができた前川國男邸についてお話したいとおもいます。

前川國男さんは、
日本の近代建築を語るうえで欠かせない建築家のひとりです。
この住宅は、1942年に建てれた前川さんの自邸で、
現在は移築され、保存されています。

建物はとても静かで、
周囲の環境にすっとなじんでいる印象でした。
強い主張はありませんが、
一つひとつの要素に無理がなく、
長く使われることを前提に考えられていることが伝わってきます。

外観は、コンクリートと木を中心とした構成。
素材そのものの表情が生かされていて、
装飾に頼らない美しさがあります。

室内に入ると、
空間は意外なほどやわらかく感じられました。
部屋同士ははっきりと区切られながらも、
視線や光は途切れずにつながっていて、
閉じすぎない心地よさがあります。

特に印象的だったのは、
光と窓の関係です。
必要な場所に、必要な大きさの窓があり、
自然光が空間を静かに支えているように感じました。

モダンな建築でありながら、
暮らし方や人の動きをとても大切にしている住宅だと思います。
「建築が前に出すぎないこと」も、
ひとつのデザインだと改めて感じました。

前川國男邸は、
見た目のインパクトよりも、
使うこと、住むことを丁寧に考えた建築です。

江戸東京たてもの園を訪れた際には、
ぜひ少し時間をかけて、
空間の静けさやバランスを体感してみてください。