冬の低い光を活かすための窓まわりの工夫

おはようございます。名古屋スタッフの尾崎です。

冬になると、部屋に差し込む光の角度はぐっと低くなります。夏のように真上から降り注ぐ光ではなく、横から静かに入り込む光は、影を長く引き、空間に独特の深みを与えてくれます。

この“低い光”をどう扱うかで、冬の室内環境は大きく変わります。今回は、設計の視点から、冬の光を最大限に活かす窓まわりの工夫を紹介します。

まず意識したいのは、光を遮るものを減らすこと。冬の光は弱いのではなく、角度が低いために届きにくいだけです。窓際に背の高い家具や観葉植物があると、光が室内に伸びる前に遮られてしまいます。

大掃除のタイミングで窓まわりを整理し、光の通り道を確保するだけでも、部屋の明るさは驚くほど変わります。

次に、レースカーテンの素材選び。冬の光は柔らかく、拡散させると空間全体に穏やかな明るさをもたらします。目の細かいレースよりも、少し粗めで光を透過しやすいものを選ぶと、低い光がふんわりと広がり、冬特有の静けさを引き立ててくれます。逆に、遮光カーテンを日中も閉めがちな家庭では、光の質が損なわれてしまうため、冬だけ“昼用のレース”を使い分けるのもおすすめです。

また、窓台やカウンターの素材も光の印象に影響します。木や石のように光を吸収しつつ反射する素材は、冬の光と相性が良く、陰影を美しく見せてくれます。ホテルの窓まわりでよく採用される理由もここにあります。光が弱い季節こそ、素材の質感が際立つのです。

最後に、光の入り方を“演出”として捉えること。冬の午後、低い光が床をゆっくり横切る様子は、季節の移ろいを感じさせる小さな風景です。

窓まわりを整えることで、日常の中にこうした“光の表情”を取り込むことができます。

冬の光は、工夫次第で空間を豊かにしてくれる贈り物のような存在です。大掃除のついでに、窓まわりを見直してみると、新しい季節の楽しみ方が見えてきます。

 

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