名古屋スタッフの尾崎です。

内装の完成度を左右するのは、実は“目立つデザイン”ではありません。プロの視点で見ると、最も空間の質を決めるのは「見えない納まり」です。

壁と天井の取り合い、巾木の見え方、建具枠の厚み、設備の位置──こうした細部の積み重ねが、空間の印象を大きく左右します。

たとえば、巾木を極力薄くしたり、壁と天井の取り合いを影で消す“スリット納まり”にすると、空間全体がすっきりと整います。

逆に、枠や見切り材が主張しすぎると、どれだけ高価な素材を使っても雑然とした印象になってしまいます。

また、コンセントやスイッチの位置も重要です。家具の配置を想定して高さや位置を調整するだけで、生活感が抑えられ、空間の完成度が一段上がります。照明器具の取り付け位置や配線の見え方も同様で、“見せない工夫”こそが美しさを支えています。

ディテール設計は、図面上では地味に見えますが、完成後の満足度に直結する部分です。内装設計の本質は、派手なデザインよりも、こうした“静かな精度”に宿ります。

細部が整った空間は、理由は説明できなくても「なんだか気持ちいい」と感じられるものなんだと思います。美しさは、見えないところから生まれます。

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