空間が人を迎えるデザイン
皆さま、こんにちは。
タクトデザイン工房のココです。
今日は、箱根プリンスホテルで印象に残った
廊下空間と、その脇に設えられたラウンジスペースについてお話ししたいと思います。
ホテルの中を歩いていると、
思わず足を止めてしまう場所がありました。
それが、この長く伸びる廊下です。
天井がつくる、リズムのある空間
まず目に入るのは、やわらかくカーブした木の天井。
照明が一定のリズムで配置されていて、
奥へ奥へと視線が自然に導かれていきます。
天井の形状と光の並びによって、
ただの通路ではなく、
「歩く体験そのもの」がデザインされているように感じました。
壁面には石材が使われ、
木の天井との対比がとても美しく、
素材同士が静かにバランスを取っています。
大きな空間なのに、冷たさはなく、
むしろ包み込まれるような安心感がありました。
通路であり、滞在の場でもある
この廊下は、単なる移動のためのスペースではありません。
ところどころに椅子やテーブルが配置され、
人が立ち止まり、座り、会話できる余白がつくられています。
赤系のラグとチェアが空間のアクセントになり、
広いスケールの中に、人の居場所がきちんと用意されているのが印象的でした。
歩く人と、座る人。
その両方が自然に共存できる設計です。
窓際の小さなラウンジが生む、やさしい距離感
廊下脇に設けられたテーブルセットも、とても心地よい場所でした。
大きな窓から入る自然光、
石の壁、木のフレーム、やわらかなカーテン。
決して派手ではありませんが、
素材とスケール感が丁寧に整えられていて、
思わず腰を下ろしたくなる空気があります。
誰かと話すためでも、
ひとりで景色を見るためでも使える、
ちょうどいい距離感のラウンジ。
こうした「小さな居場所」があることで、
ホテル全体の印象がとてもやさしくなるのだと感じました。
最後に
この廊下空間で感じたのは、
建築は通るためだけのものではなく、
過ごすための場所でもある、ということ。
天井の高さ、光の入り方、素材の選び方、
そして家具の配置。
そのひとつひとつが重なって、
人の動きや気持ちまでデザインしているようでした。
箱根プリンスホテルは、
大きなスケールの中に、
人のための細やかな配慮が感じられる建築だと思います。
今回の体験は、
これから空間づくりを考えるうえでも、
とても大切なヒントになりました。

