日本の床文化から学ぶ、静かなデザイン

こんにちは。ココです。

これは、私がひと目見て気になった、日本の脚のない椅子についてのお話です。

この部屋に入った瞬間、最初に目に入ったのは、畳の上に置かれた低いテーブルと、背もたれはあるけれど脚のない椅子でした。

最初は「これで長く座れるのかな?」
と思いました。想像しただけで、足が少し痛くなりそうで。


座椅子という、日本ならではの家具

この椅子は「座椅子」と呼ばれるもので、畳の上で使うために作られています。

昔の日本の暮らしは、床に近い生活が基本でした。食事も、くつろぐ時間も、眠る時も、すべてが低い位置。脚のある椅子は一般的ではなく、正座やあぐらで過ごすのが当たり前だったそうです。

けれど、時代とともに生活スタイルが変わり、床文化を残しながらも、背中を支えてくれる家具として座椅子が生まれました。

伝統と現代の、静かなバランス。
そんな印象を受けました。


低い視点がつくる、落ち着いた時間

この空間に座っていて感じたのは、これは単なる家具の話ではない、ということ。

低いテーブルに座ると、自然と目線が下がり、動きがゆっくりになります。呼吸も落ち着いて、会話のテンポも変わる。

空間そのものが、人を静かにしてくれる感じ。

昔の人は、この姿勢で育ってきたから、身体も自然と慣れていたはず。でも今は、正座がつらかったり、膝が痛くなったりする人も多い。

だからこそ、座椅子という存在が今の時代にはとても意味を持っている気がします。身体の変化に寄り添いながら、和室の雰囲気を守っている。


インテリアとして見る、日本の床文化

インテリアの視点で見ると、ここから学べることはとても多いです。

西洋の家具は、身体を「上」に持ち上げる。
畳の空間は、身体を「下」に戻してくれる。

たったそれだけで、空間の感じ方はまったく変わります。

素材は静かで、プロポーションはやさしく、余白さえも計算されているように感じます。主張するデザインではなく、「居ていいよ」と言ってくれる空間。


おわりに — 静かな心地よさ

この部屋に座っていて、改めて思いました。

日本の空間づくりは、見た目のインパクトよりも、「身体がどう感じるか」をとても大切にしている。

心地よさは、大きな音を立てない。
とても静かで、やさしいもの。

この場所は、良いデザインは何かを足すことだけじゃなく、
ときには、ただ身体を地面に近づけて、深呼吸させてくれることなんだと教えてくれました。

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